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月初めにリセットです
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 日照りの中を歩く金色を見つけて、待ちわびた彼は口の端を上げた。暑苦しい夏の太陽は、容赦なくじりじりと奴を焼いているが、汗を拭う仕草もない。ただ同じリズムで歩くあいつが彼の下を通りすぎたとき、勢いよく木から飛び降りた。ふわりと白いパーカーが浮かび上がり、銀色の髪が揺れる。トン、と軽く着地をして顔を上げた。この瞬間が、彼らと彼女のはじまりであった。

 背後のばさりという音に反応した男は、後ろを振り返った。すると、白と銀色が上から落ちてきて、そのままストン、と着地をした。そうしてゆっくりと顔を上げると、目線が合う。中性的な顔立ちの彼がにこりと笑いかけた。
「初めまして。日比野先輩」
 ちょこんと首を傾けて、彼は言った。その言葉に、日比野陽(ひびの・よう)は少し訝しげな顔をした。初めて会ったにも関わらず、名前を呼ばれるのはあまりいい心持ちがしない。段々と近付いた彼は、日比野の手をすっととって言った。
「僕と一緒に、花を育てませんか?」
 夏の日差しが気温を上げ、蝉がジージーと鳴いていた。


 暫しの沈黙と、するりと離された手を見ながら、夏見芳(なつみ・ほう)は大きく溜め息を吐いた。日陰とはいえ、暑い中ずっと待っていた相手に、漸く会えたと喜んだのも束の間、あっさり振られてしまった。
「…堂々と遅刻してきたくせに」
 本来なら長い間待つ必要などなく、すぐに見つかるはずだったのだが、今日に限って遅刻してきた日比野に悪態をついた。彼はオレンジがかった金色の髪をしていて、登校時間に上から見下ろせば一目でわかる。緩い校則で染髪している者は多々いるが、金髪は校内に数名程度だ。もっとも夏見のような銀髪のほうが珍しいだろうが。
「お前、なにぶすっとしてんの?」
「…縞」
 夏見に声を掛けた少し長い黒髪を結んだ都築縞(つづき・しま)は、頬を膨らませ、机に伏せる彼の正面にしゃがんだ。夏見は、むっとした顔をさらに腕に埋め、目線を左に逸らした。
「別に何でもねえし」
「姉貴?」
「…紅姉は関係ない」
 そう言って、顔を伏せた彼に縞はふう、と溜め息をついた。そして、こいつが変なとき、大抵は姉貴関連だ、と苦笑いをし、くしゃりと銀髪を撫でた。はね除けられることもなく、大人しい。
「まぁ、なんかあったら言えよ」
「…ん」
「ちゃんと寝てるか?」
「いまからねる」
 ぼそぼそと呟いた彼の頭を、よしよしと飽きずに撫でる。ゆったりと梳いていると、すうすうと寝息が聞こえてきた。そっと手を離した縞は立ち上がり、今日も暑いなぁ、と呟いた。


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訳わからなくなってきたしとめます
名前のふらふら具合…
三人称?よくわかんなくなっちゃうなぁ。
陽芳ってか、縞くんがでしゃばったラスト


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