月初めにリセットです
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休日明けの月曜日、日中に比べ気温はそう高くなく、半袖だと少し肌寒い。そんな朝、ノロノロと目を擦りながら学校へ向かっていたパーカーの少年は、大きな欠伸をした。それを少年は、手で隠すことなく、ただ眠い眠いと頭の中で繰り返していた。
毎朝4時に起き、新聞をポストに入れる。いくら慣れたことであっても睡眠時間が削られることには変わりはない。昨夜は課題に詰まり、遅くまで教科書と睨めっこしていたのもこの睡魔の原因だ。
(サボりたい……)
遅刻しそうだ、いやまだ大丈夫なのだろうか。じとーっとした目――開いているのか開いていないのかよくわからない――で、曖昧な脳をぐらりぐらりと揺らしながら気持ち歩調を速めた。何だかぼんやりしてきた気がする。熊はパンダだろうか。課題は終わったよな、いや終わってなかったか?キリンが舞う。舞う?どんな風に…
「おいっ!」
急に腕を掴まれ覚醒する。脳が目を開かせ、目の前の電柱を視界に捉えた。
「あ、ぶね…」
ぶつかりそうだった。先程は何を考えていたのだろう、思い出せない。兎に角ぐらぐらしていた。目は、なかなか開かなかった気がする。また睡魔に引き摺られて、ぼけーっとしていたら前に引っ張られた。
「っわ!」
「行くぞ」
遅刻すんだろ。と言った陽は、こんなギリギリに登校していただろうか。そんなことをふと考えたけれど、大したことじゃないとすぐに思考を止めた。とりあえず眠い、とっても眠い。まだ寝ていたいんだ。本当は少し、休みたい。でも、学校行かないと紅姉に会えないし。陽にも構ってやれないしな…。そこまで考えて、思考が途切れた。
***
「あ、起きた」
物音に目を覚まし、ゆっくり目を開けるとそんな声が聞こえた。声の方を向くと、黒い髪がぼんやり見えた。
「もうちょい寝る?」
「いや、起きる…。いま何時」
もう一度顔を伏せて尋ねる。まだ眠気は残っていたが、これ以上授業中に寝るわけにはいかない。
「10時半、2限終わったとこ。お前ふらふらだったけど意識ちゃんとあったか?」
「…あー、ねえわ。陽と会ったのは覚えてる」
そう答えると、縞は「あぁ、先輩がここまで連れてきた」と言った。
「…あいつ俺のクラス知ってたっけ?」
「さぁー。」
「…。」
「あ、次移動だぞ」
少し疑問を持ちながらも、眠気を払いのけ促されるまま立ち上がった。
***
結局身の入らないまま授業を終え、SHRが終わったあともぼうっと窓の外を見つめていると、明るい髪色が見えた。学校の校則が緩いため、染髪している生徒は多い。けれど、何となくそれが誰だか直ぐに分かった。
(今日の水やり当番…)
―ガタンッ
慌てて立ち上がり、椅子が倒れる。それを気にすることなく鞄を引っ掴んで教室を出た。
「はぁ、はぁっ…」
「…お前」
花壇に着くと、少し驚いたような顔をされた。どれくらいぼうっとしていたか分からないけれど、自分の仕事を他人任せにするなんでしたくない。今日の当番は、俺だ。
「起きたのか」
「…いつの話だっつの」
疾っくに起きてるにきまってる。体調管理ができていないのが何だか恥ずかしくて、その不注意で助けてもらったのも情けなくて、きゅっと口を結んだ。
「今朝は、ありがと」
「いや…」
お前も、結構危なっかしいな。と続く――その言葉が少し引っ掛かった。目線が地面に、顔も気持ち下がる。
「水やり、あと俺やるから」
「…ああ」
如雨露を受けとろうと、片手を伸ばす。それを掴むと、思ったより水が入っているのか重かった。
「…っ」
こいつなんでこんな重いもの片手で持てるんだ。そんなことを思い目を向けると、ぱちっと目が合った。そうしてまた、ひょいと持ち上げられる。
「…途中まで、俺がやる」
何となく、それに従った。
丁寧に水をかけ、地面の色を変えていく。それを、横にしゃがんでじっと見ていた。正直に言うと、俺の水やりなんて、何となくで適当だ。特に花が好きな訳じゃないし、四葉だって、見つかりにくいだけで結局は雑草だと思う。だから、水やりなんてしたことなかったし、こんな風にやるんだとか、知らない。どこまでがやりすぎだとか、分からない。
「お前さ」
珍しく陽が話しかけてくる。ふいっと顔をあげたけれど、今度は目が合うことはなかった。
「…携帯持ってないよな」
「へ」
考えていたことと全然違ったため、変な声が出た。慌てて答えを言う。
「あぁ、持ってない持ってない」
「…」
「なに、意外?」
大抵のやつは、高校へ入ったら買ってもらうものだろう。今じゃ小学生だって持っていることもある。まあでも、大抵のやつは、だ。
「…いや、俺も持ってない」
「へえー…。まあ、確かに持ってたら違和感あるけど」
こいつが携帯カチカチやってるの見たら笑いそう、似合わなすぎて。初めて会ったときはそうでもなかったけれど、今じゃこんなに機械が似合わないやつはいないって感じだ。そんなことを思っていると、スッと陽が立ち上がった。
「いらねえの?」
それは、携帯のことだろうか。偶に、陽は言葉が足りない。
「…どっちでもいい」
紅姉に、『おはよう』ってメールを打ったり、出掛けていても、声が聞けたり。長ったらしい番号を覚えなくてよくて…まぁ、紅姉の番号は余裕で暗記してるけど。
「あったら便利かなーとは思うよ」
ぼんやりと空を見ながら言った。結局陽は別の花壇にも水をやりはじめた。何だかんだ、やりたくてやってるに違いない。こいつの一番は、分かりやすい。
「…じゃあ、買えば」
しゃがんだ背中を見ていると、また驚くようなことを言った。何でこんな話を始めたのかもよくわからなかった。
「なんでだよ」
なんでだろう。暑いのに汗もかいてなさそうな背中に問いかけた。
「どっかで野垂れ死んでそう」
「はあっ?」
「今朝みたいに」
「…」
じゃあ、なんだ。俺が倒れたときに携帯で助けを求めろと言うことか。
「なんだそれ…ふはっ…」
陽の考えてることは、分からなくて面白い。感情と思考が読める会話ほど詰まらないものはない。何だかおかしくて、笑った。
きらきらと、水が落ちる。その中に小さな虹が見えた気がした。陽は何も言わない。
「じゃあさ」
笑いも落ち着いたところで、切り出した。
「陽も買おうよ」
ぱしゃんと小さな音が聞こえた。陽はゆっくり、こちらを向いた。
「…買うのか」
「うん」
どっちでもいいけど、あって困ることはない。紅姉に『帰ろう』ってメールして、縞には『あんぱん』って打ってパシるだろ。で、偶に、たまあにだけれど、陽に『眠たい』って電柱から守ってもらおう。
あと、なんとなく、あれも使ってしまおう。貯金はあるから、手を出したことのないあれを。いつもなら絶対に考えつかないことを、ついまぁいいやにしてしまう。
なんだか不思議な心地だ。
「今週の日曜、見に行こ」
勝手に予定を決めてしまう。でも、陽が言い出したんだから、しようがない。
「何色がいいかなぁ」
地面に散らばる色を見ながら言った。陽はやはり何も言わなかったけれど、同じように花を見ていた。きっと、おんなじことを考えてるような気がした。
***おまけ
「そういえば、陽って俺のクラス知ってたんだね」
ふと思い出して聞いてみた。水やりを終え(結局陽が全部やった)、如雨露を倉庫に仕舞いに隣を歩く。
「…木月に聞いた」
「えっ」
知っていたものだと決めつけていたものだから驚いてしまった。なんだか、拍子抜けだ。
「…っと、じゃあ紅姉にバレてるのか」
今日は確か委員会で一緒に帰れないし、一度も会ってない。明日は怒られるかもしれない。
「てか、俺今日一回も会ってないのにずるい」
「…知るか」
コトンと如雨露を置く。んな可愛く置いたって許さねー。
「あと、俺は陽のクラス知ってる」
「あいつと一緒だからな」
「まあね」
んじゃあ、毎日ずるいってことだ。そういえば、初めは結構威嚇していた気もする。今じゃ、無害そのものだけれど。
「んー」
「…」
「日曜、晴れるかな」
さっきの、ちゃんと覚えているんだろうか。何だかんだ返事はほしいものだ。
「…晴れるはず」
「へえ。じゃあ…」
答えてくれたのが嬉しくて、すらすらと言葉が出てくる。待ち合わせ場所だとか、時間だとか。鞄を掴んで、校門へ向かうときも相変わらずの無口だったけど。
偶にはこういうのもいいなあ、なんて思った。そんな帰り道。
***
やっと終わった。や、やっと。
1ヶ月かかった。軽い気持ちで始めたのに。
陽芳、携帯。そんなのを浮かべたのに、タイトルあってねえ。
寧ろ携帯への繋げ方無理矢理ぃ。
最初から流れとか考えてないぃ。
つか芳が倒れた時点でちょう困った。
ナチュラル縞くん。
湊いないね。
確か眠い月曜日の帰りに書き始めた?先月の
芳最後デレッとしすぎじゃね。
毎日書いてる人変わるから…芳変…です…。
そろそろセルフなんとか終わる
自己弁護
毎朝4時に起き、新聞をポストに入れる。いくら慣れたことであっても睡眠時間が削られることには変わりはない。昨夜は課題に詰まり、遅くまで教科書と睨めっこしていたのもこの睡魔の原因だ。
(サボりたい……)
遅刻しそうだ、いやまだ大丈夫なのだろうか。じとーっとした目――開いているのか開いていないのかよくわからない――で、曖昧な脳をぐらりぐらりと揺らしながら気持ち歩調を速めた。何だかぼんやりしてきた気がする。熊はパンダだろうか。課題は終わったよな、いや終わってなかったか?キリンが舞う。舞う?どんな風に…
「おいっ!」
急に腕を掴まれ覚醒する。脳が目を開かせ、目の前の電柱を視界に捉えた。
「あ、ぶね…」
ぶつかりそうだった。先程は何を考えていたのだろう、思い出せない。兎に角ぐらぐらしていた。目は、なかなか開かなかった気がする。また睡魔に引き摺られて、ぼけーっとしていたら前に引っ張られた。
「っわ!」
「行くぞ」
遅刻すんだろ。と言った陽は、こんなギリギリに登校していただろうか。そんなことをふと考えたけれど、大したことじゃないとすぐに思考を止めた。とりあえず眠い、とっても眠い。まだ寝ていたいんだ。本当は少し、休みたい。でも、学校行かないと紅姉に会えないし。陽にも構ってやれないしな…。そこまで考えて、思考が途切れた。
***
「あ、起きた」
物音に目を覚まし、ゆっくり目を開けるとそんな声が聞こえた。声の方を向くと、黒い髪がぼんやり見えた。
「もうちょい寝る?」
「いや、起きる…。いま何時」
もう一度顔を伏せて尋ねる。まだ眠気は残っていたが、これ以上授業中に寝るわけにはいかない。
「10時半、2限終わったとこ。お前ふらふらだったけど意識ちゃんとあったか?」
「…あー、ねえわ。陽と会ったのは覚えてる」
そう答えると、縞は「あぁ、先輩がここまで連れてきた」と言った。
「…あいつ俺のクラス知ってたっけ?」
「さぁー。」
「…。」
「あ、次移動だぞ」
少し疑問を持ちながらも、眠気を払いのけ促されるまま立ち上がった。
***
結局身の入らないまま授業を終え、SHRが終わったあともぼうっと窓の外を見つめていると、明るい髪色が見えた。学校の校則が緩いため、染髪している生徒は多い。けれど、何となくそれが誰だか直ぐに分かった。
(今日の水やり当番…)
―ガタンッ
慌てて立ち上がり、椅子が倒れる。それを気にすることなく鞄を引っ掴んで教室を出た。
「はぁ、はぁっ…」
「…お前」
花壇に着くと、少し驚いたような顔をされた。どれくらいぼうっとしていたか分からないけれど、自分の仕事を他人任せにするなんでしたくない。今日の当番は、俺だ。
「起きたのか」
「…いつの話だっつの」
疾っくに起きてるにきまってる。体調管理ができていないのが何だか恥ずかしくて、その不注意で助けてもらったのも情けなくて、きゅっと口を結んだ。
「今朝は、ありがと」
「いや…」
お前も、結構危なっかしいな。と続く――その言葉が少し引っ掛かった。目線が地面に、顔も気持ち下がる。
「水やり、あと俺やるから」
「…ああ」
如雨露を受けとろうと、片手を伸ばす。それを掴むと、思ったより水が入っているのか重かった。
「…っ」
こいつなんでこんな重いもの片手で持てるんだ。そんなことを思い目を向けると、ぱちっと目が合った。そうしてまた、ひょいと持ち上げられる。
「…途中まで、俺がやる」
何となく、それに従った。
丁寧に水をかけ、地面の色を変えていく。それを、横にしゃがんでじっと見ていた。正直に言うと、俺の水やりなんて、何となくで適当だ。特に花が好きな訳じゃないし、四葉だって、見つかりにくいだけで結局は雑草だと思う。だから、水やりなんてしたことなかったし、こんな風にやるんだとか、知らない。どこまでがやりすぎだとか、分からない。
「お前さ」
珍しく陽が話しかけてくる。ふいっと顔をあげたけれど、今度は目が合うことはなかった。
「…携帯持ってないよな」
「へ」
考えていたことと全然違ったため、変な声が出た。慌てて答えを言う。
「あぁ、持ってない持ってない」
「…」
「なに、意外?」
大抵のやつは、高校へ入ったら買ってもらうものだろう。今じゃ小学生だって持っていることもある。まあでも、大抵のやつは、だ。
「…いや、俺も持ってない」
「へえー…。まあ、確かに持ってたら違和感あるけど」
こいつが携帯カチカチやってるの見たら笑いそう、似合わなすぎて。初めて会ったときはそうでもなかったけれど、今じゃこんなに機械が似合わないやつはいないって感じだ。そんなことを思っていると、スッと陽が立ち上がった。
「いらねえの?」
それは、携帯のことだろうか。偶に、陽は言葉が足りない。
「…どっちでもいい」
紅姉に、『おはよう』ってメールを打ったり、出掛けていても、声が聞けたり。長ったらしい番号を覚えなくてよくて…まぁ、紅姉の番号は余裕で暗記してるけど。
「あったら便利かなーとは思うよ」
ぼんやりと空を見ながら言った。結局陽は別の花壇にも水をやりはじめた。何だかんだ、やりたくてやってるに違いない。こいつの一番は、分かりやすい。
「…じゃあ、買えば」
しゃがんだ背中を見ていると、また驚くようなことを言った。何でこんな話を始めたのかもよくわからなかった。
「なんでだよ」
なんでだろう。暑いのに汗もかいてなさそうな背中に問いかけた。
「どっかで野垂れ死んでそう」
「はあっ?」
「今朝みたいに」
「…」
じゃあ、なんだ。俺が倒れたときに携帯で助けを求めろと言うことか。
「なんだそれ…ふはっ…」
陽の考えてることは、分からなくて面白い。感情と思考が読める会話ほど詰まらないものはない。何だかおかしくて、笑った。
きらきらと、水が落ちる。その中に小さな虹が見えた気がした。陽は何も言わない。
「じゃあさ」
笑いも落ち着いたところで、切り出した。
「陽も買おうよ」
ぱしゃんと小さな音が聞こえた。陽はゆっくり、こちらを向いた。
「…買うのか」
「うん」
どっちでもいいけど、あって困ることはない。紅姉に『帰ろう』ってメールして、縞には『あんぱん』って打ってパシるだろ。で、偶に、たまあにだけれど、陽に『眠たい』って電柱から守ってもらおう。
あと、なんとなく、あれも使ってしまおう。貯金はあるから、手を出したことのないあれを。いつもなら絶対に考えつかないことを、ついまぁいいやにしてしまう。
なんだか不思議な心地だ。
「今週の日曜、見に行こ」
勝手に予定を決めてしまう。でも、陽が言い出したんだから、しようがない。
「何色がいいかなぁ」
地面に散らばる色を見ながら言った。陽はやはり何も言わなかったけれど、同じように花を見ていた。きっと、おんなじことを考えてるような気がした。
***おまけ
「そういえば、陽って俺のクラス知ってたんだね」
ふと思い出して聞いてみた。水やりを終え(結局陽が全部やった)、如雨露を倉庫に仕舞いに隣を歩く。
「…木月に聞いた」
「えっ」
知っていたものだと決めつけていたものだから驚いてしまった。なんだか、拍子抜けだ。
「…っと、じゃあ紅姉にバレてるのか」
今日は確か委員会で一緒に帰れないし、一度も会ってない。明日は怒られるかもしれない。
「てか、俺今日一回も会ってないのにずるい」
「…知るか」
コトンと如雨露を置く。んな可愛く置いたって許さねー。
「あと、俺は陽のクラス知ってる」
「あいつと一緒だからな」
「まあね」
んじゃあ、毎日ずるいってことだ。そういえば、初めは結構威嚇していた気もする。今じゃ、無害そのものだけれど。
「んー」
「…」
「日曜、晴れるかな」
さっきの、ちゃんと覚えているんだろうか。何だかんだ返事はほしいものだ。
「…晴れるはず」
「へえ。じゃあ…」
答えてくれたのが嬉しくて、すらすらと言葉が出てくる。待ち合わせ場所だとか、時間だとか。鞄を掴んで、校門へ向かうときも相変わらずの無口だったけど。
偶にはこういうのもいいなあ、なんて思った。そんな帰り道。
***
やっと終わった。や、やっと。
1ヶ月かかった。軽い気持ちで始めたのに。
陽芳、携帯。そんなのを浮かべたのに、タイトルあってねえ。
寧ろ携帯への繋げ方無理矢理ぃ。
最初から流れとか考えてないぃ。
つか芳が倒れた時点でちょう困った。
ナチュラル縞くん。
湊いないね。
確か眠い月曜日の帰りに書き始めた?先月の
芳最後デレッとしすぎじゃね。
毎日書いてる人変わるから…芳変…です…。
そろそろセルフなんとか終わる
自己弁護
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