月初めにリセットです
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人生は運命に決められていると誰かが言った。
容姿、性格、身分、環境。変化はすれど、最初から決められたものだ。自分で選んだ訳でもない顔のせいで、醜いと罵倒される奴と、整った顔から好かれ可愛がられる奴。こいつらの違いはなんだ?スタート地点だろう。初めから良い身分の奴と、低い奴では上へ上がるための努力の差…持っているものが違う。
そうだ、俺らは理不尽な箱に産み落とされ、自己の欲を満たすため行動し、考える。そんな世界を見つめて、馬鹿らしくなった。
だから、死んでみた。
平々凡々な人生を羨む奴は、俺のことを罵るかもしれない。けれど、平凡には非凡が妬ましく映るんだ。俺には、こうやってぐだぐだと考えるような理由があったと解ってくれればそれでいい。
さて、前置きはこれまでにしよう。そうして死んだ先の、今この状況を一言で伝えるならば「変わっていない」だ。
俺は確かに死んだのだ。世界の運命とやらに従ったのだ。しかし俺は俺のまま、持ち合わせているものだって、そのまま。
どういうことなのだろうと鏡を見た。少し幼い顔。これは昨日見た俺じゃなかった。タイムスリップ――そんな言葉が頭を過った。しかし、これではただの若返りなのか?中身は死んだままの俺…?
少し混乱していた俺は、暫くして階段を上る音を聞いた。コンコン、と鳴るドア。
「ご飯出来たわよー早く起きなさい。お母さんもう出るからねー」
「…。」
母親が、居た。俺は驚愕した。ここで注意しておこう、俺には"母親は居なかった"のだ。それがいるってことは、ここは俺の世界ではない。何処だ此処は、何処なんだ…。
カチャリ
「あら、起きてるじゃない」
"母親"が部屋に入ってきた。
「早く準備して、忙しいんだから」
「…」
俺はじっとそいつを見つめた。
「何、どうしたの。調子悪い?」
そいつは俺の視線に怪訝な顔をした。俺はその顔に、一言。
「アンタ、だれだ」
「…え?」
「俺に母親はいない…」
「…。」
そいつは俺をじっと見返した。そうして、"今の"俺に対して問いかけてきた。
「あなた…死んだ?」
「っ…」
「そうなのね。…そっか」
女はそう言って俺に近づいた。咄嗟に身構えた俺の肩に手を置き、屈む。
「…ごめんなさい。貴方を置いてきぼりにして」
俺の母親は病死だった。昔のことで顔もあまり覚えていない。写真で見た奴はこんな顔だったか。わからない、知らない奴に謝られるのは奇妙で、不気味だった。
「私も死んだわ。ここは"二度目の世界"よ。ふと記憶が飛ばされる。何処へ飛ばされるか分からない。…貴方は、大分大人になったのかしら…でも、それにしてはまだ若い気もするわね」
こいつが何を言っているのかよく解らなかった。二度目の世界…?
「ふふ、最初は混乱するわ。私も吃驚したの。とりあえず、今日は以前のように学校へ行きましょ?」
時間、本当にないのよね。と女は苦笑した。立ち上がり、扉へ向かって一言。
「運命を、どれだけ変えられるか…そんな世界よ」
運命は変えられない。大本が決まり、選択肢も決まっている。そんな世界が終わると、人は何処へ行くのか知ってるかい?
「また生きるのさ」
変わらないものを持って、何度だって最良を目指す…そんなところか?俺も理解できてないのさ、なんせまだ二度目だから。
これから二度目、三度目…なんて続いたら嫌になるよ。はは、流石に飽きるだろ?世界は何をしたいのか、俺にはわからないね。
さぁて始めますか。もう一度、もう一度…。
-----
ううん。暇潰しにサブウェイで
容姿、性格、身分、環境。変化はすれど、最初から決められたものだ。自分で選んだ訳でもない顔のせいで、醜いと罵倒される奴と、整った顔から好かれ可愛がられる奴。こいつらの違いはなんだ?スタート地点だろう。初めから良い身分の奴と、低い奴では上へ上がるための努力の差…持っているものが違う。
そうだ、俺らは理不尽な箱に産み落とされ、自己の欲を満たすため行動し、考える。そんな世界を見つめて、馬鹿らしくなった。
だから、死んでみた。
平々凡々な人生を羨む奴は、俺のことを罵るかもしれない。けれど、平凡には非凡が妬ましく映るんだ。俺には、こうやってぐだぐだと考えるような理由があったと解ってくれればそれでいい。
さて、前置きはこれまでにしよう。そうして死んだ先の、今この状況を一言で伝えるならば「変わっていない」だ。
俺は確かに死んだのだ。世界の運命とやらに従ったのだ。しかし俺は俺のまま、持ち合わせているものだって、そのまま。
どういうことなのだろうと鏡を見た。少し幼い顔。これは昨日見た俺じゃなかった。タイムスリップ――そんな言葉が頭を過った。しかし、これではただの若返りなのか?中身は死んだままの俺…?
少し混乱していた俺は、暫くして階段を上る音を聞いた。コンコン、と鳴るドア。
「ご飯出来たわよー早く起きなさい。お母さんもう出るからねー」
「…。」
母親が、居た。俺は驚愕した。ここで注意しておこう、俺には"母親は居なかった"のだ。それがいるってことは、ここは俺の世界ではない。何処だ此処は、何処なんだ…。
カチャリ
「あら、起きてるじゃない」
"母親"が部屋に入ってきた。
「早く準備して、忙しいんだから」
「…」
俺はじっとそいつを見つめた。
「何、どうしたの。調子悪い?」
そいつは俺の視線に怪訝な顔をした。俺はその顔に、一言。
「アンタ、だれだ」
「…え?」
「俺に母親はいない…」
「…。」
そいつは俺をじっと見返した。そうして、"今の"俺に対して問いかけてきた。
「あなた…死んだ?」
「っ…」
「そうなのね。…そっか」
女はそう言って俺に近づいた。咄嗟に身構えた俺の肩に手を置き、屈む。
「…ごめんなさい。貴方を置いてきぼりにして」
俺の母親は病死だった。昔のことで顔もあまり覚えていない。写真で見た奴はこんな顔だったか。わからない、知らない奴に謝られるのは奇妙で、不気味だった。
「私も死んだわ。ここは"二度目の世界"よ。ふと記憶が飛ばされる。何処へ飛ばされるか分からない。…貴方は、大分大人になったのかしら…でも、それにしてはまだ若い気もするわね」
こいつが何を言っているのかよく解らなかった。二度目の世界…?
「ふふ、最初は混乱するわ。私も吃驚したの。とりあえず、今日は以前のように学校へ行きましょ?」
時間、本当にないのよね。と女は苦笑した。立ち上がり、扉へ向かって一言。
「運命を、どれだけ変えられるか…そんな世界よ」
運命は変えられない。大本が決まり、選択肢も決まっている。そんな世界が終わると、人は何処へ行くのか知ってるかい?
「また生きるのさ」
変わらないものを持って、何度だって最良を目指す…そんなところか?俺も理解できてないのさ、なんせまだ二度目だから。
これから二度目、三度目…なんて続いたら嫌になるよ。はは、流石に飽きるだろ?世界は何をしたいのか、俺にはわからないね。
さぁて始めますか。もう一度、もう一度…。
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ううん。暇潰しにサブウェイで
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