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月初めにリセットです
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ここは小さな国でした。お父さんが、大切に守っている小さな国。僕はまだ力というものがよく分かっていなかった。ただ、リンネと一緒にいるのが楽しかった。
「りんー」
庭で本を読んでいるリンネに近寄った。春のお昼はぽかぽかで気持ちいい。リンネは此方を向いて、少し笑った。
「ミコトさま、今お起きになったのですか?」
「うん。お昼寝しちゃった」
えへへ、と笑っていると寝癖がついていたのか、頭を撫でられた。そんなことが幸せで、リンネが大好きで、僕はぎゅってリンネに抱きついた。
「りんだいすきー」
「…有難うございます」
ふっとリンネを見上げると、また笑っていた。笑っているんだけど、悲しそうに見える。りんはすきって言ってくれない。いつも、言ってくれない。
「…」
まだ小さな僕だったけれど、ずっとずっと、リンネがすきだった。どんな風に?なんて聞かれたことはないけれど、綺麗で、色んなこと知ってて…なんて皆みたいに単純じゃあないんだ。リンネだけがすき、リンネだからすき。将来王さまになる僕は、国民皆を愛さなきゃいけないのに、こんなのだめかな。リンネ、怒るかな。
「リンネ…」
「、なんですか?」
「ずっと、一緒にいようね」
そう笑って言うと、リンネから離れた。僕も小さな痛みを感じた。リンネが寂しそうだから感じるものなのか、一緒にいられるのだろうか、という不安からなのか。まだ、僕は分からなかった。知らなかったんだ、君のこと…僕のこと。

-----

きらきら、太陽の光を反射して輝く庭は今日もとても綺麗だ。あの頃と変わらない、変わったのは僕だけなのかもしれない。そんな気がした。
「リンネ、お茶を飲む?」
「いえ、私は…」
「そう?美味しいんだけどなぁ…」
リンネはそっと目を伏せた。変わらない、リンネは今日も綺麗だ。だって僕の4倍、いや、もっともっと生きているんだ。今更この数分の時もちっぽけなものに違いない。
「僕は、いい子だったろうか」
「…?」
「昔さ、リンネに迷惑かけてなかったかな?」
「そんな、とてもお優しくて、可愛らしい方でしたよ」
「ふふ、有難う。よかった」
そう言って、コトンと湯呑みを置いた。優しくしたかったのはリンネだけだよ。でも、なかなか気づいてくれないものだ。お世話係のリンネに迷惑かけたくなかったし。誰にでも優しく、はもう身に染み付いているのだろう。勿論皆好い人ばかりだけれど、リンネは特別だって伝わってほしい。



 *****
だからと言って、もう昔とは違う。何も知らない僕じゃなくて、君の悲しそうな笑顔もどこから来るのか見当がついた。確実に僕は君より早く消える、それが悲しみの理由?僕は、それならもっと君と終わりの時まで過ごしたい。そうやって、言えたら、いいのに…な。
「おかわりちょうだい?」
「ただいまお持ちいたします」
「あっだめ。リンネは座ってて」
「しかし…」
「お願いだから」
「…分かりました」
一時だって離れたくないよ。すきだって言って、君もそう言ってくれたらいいのに。けれどそうして君を置いて、この世を去っていく僕はいやだ。いやだな。なんで僕は王様なんだろう。
「リンネー」
「はい…」
「ずっと、てなんだろうね」
庭を見た。リンネのほうは見れなかった。少しだけ、泣きそうになった。

-----End-----

やっぱ消えるのは怖いと思う。
ミコリンでした。練りたい

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