月初めにリセットです
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陽と湊の夏休み。小学生。
多分これで終わり。
思わず長くなってる…あれ、もうこんな時間∑(゚ω゚)
↓下の続き
多分これで終わり。
思わず長くなってる…あれ、もうこんな時間∑(゚ω゚)
↓下の続き
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庭に戻ると、蝉は動かなくなっていた。周りには大量の蟻がいて、食料を自分の巣穴に持って帰ろうと一生懸命働いていた。
湊はそれをジッと見ていた。泣きそうな顔じゃない、ただただジッと見ていた。そして、漸く顔を上げたとき「自然のせつり?」と聞いてきた。俺は「そうかもな。お前、難しい言葉知ってんな」と笑って返した。
湊も、今日初めて笑ってくれた。
帰り道は、トコトコと歩いた。日も落ちてきて、辺りが橙色に染まっていた。行きとは違う生温い暑さを感じながら、ふと地面に何かを見つけた。その何かは、今日見たものと同じ様で同じではないものだった。
俺はそこで足を止めた。虫に詳しいわけではないので、こいつが雄か雌かも分からない。ただ、こいつは一生を終えたんだな、ということを強く感じた。
しゃがんで、心の中で一言。そうして俺は立ち上がり、またトコトコと歩き始めた。
あの日のことは忘れられない。透明でしわくちゃな羽をもつ、あいつだったから俺らは感じたことがあったんだ。
だから、こんな暑い夏の日には、いつもあの小さな命を思い出す。
俺の指に小さく触れた、あの感触も。
終わり
湊はそれをジッと見ていた。泣きそうな顔じゃない、ただただジッと見ていた。そして、漸く顔を上げたとき「自然のせつり?」と聞いてきた。俺は「そうかもな。お前、難しい言葉知ってんな」と笑って返した。
湊も、今日初めて笑ってくれた。
帰り道は、トコトコと歩いた。日も落ちてきて、辺りが橙色に染まっていた。行きとは違う生温い暑さを感じながら、ふと地面に何かを見つけた。その何かは、今日見たものと同じ様で同じではないものだった。
俺はそこで足を止めた。虫に詳しいわけではないので、こいつが雄か雌かも分からない。ただ、こいつは一生を終えたんだな、ということを強く感じた。
しゃがんで、心の中で一言。そうして俺は立ち上がり、またトコトコと歩き始めた。
あの日のことは忘れられない。透明でしわくちゃな羽をもつ、あいつだったから俺らは感じたことがあったんだ。
だから、こんな暑い夏の日には、いつもあの小さな命を思い出す。
俺の指に小さく触れた、あの感触も。
終わり
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